大学院から情報科学系分野を専攻にした人間のエンジニア新卒就活雑感

tl;dr

私のこと

就活結果

  • 受けた企業数:5社
  • 内定:3社
  • 途中辞退:1社
  • コーディングテスト落ち:1社

 

はじめに

ここからはもう少し詳しく就活の体験記を書きます。私は社会科学系の学部在籍時に数理論理学と競プロにハマって,特に型理論に関して詳しくなりたいと思って他大学他分野に院進した人間です。冒頭の私の状態からソフトウェアエンジニアとしての就職は難しいかなと思っていたのですが,なんとかなりました(内定を1つ以上得られた)。これはその備忘録です。

 

就活期間

M1の夏頃にインターンのことを考え始めました。当時は,ただでさえ修士から新しい分野で研究を始めるという遅いスタートを切っているので,これ以上研究以外のことに時間を割きたくないという気持ちと,そうはいっても一つもインターンに行かないで本選考は大丈夫なのかという不安のジレンマを抱えていました。結果,特別魅力的だった1社にのみ応募してダメだったら割り切ることにしました。そして落ちました。

11月頃から各企業が本選考の受付を開始していたと思います。私も思い出したように就活を再開しました。いくつかの企業にエントリーし,初めて内定が出たのが1月末,結局他の企業の結果も聞くために3月末まで就活を続けました。

 

企業選びの基準

次の2つの基準で選考に参加する企業を選びました。

  • 型システムおよび静的型付き言語が好きなので,そういった技術との関わりが多いこと
  • 提供している商品やサービスが社会の役に立っていると感じられる,あるいは好きになれること

自分のモチベーションを保ち続けるために最も重要な2つのことがこれだと思いました。

私がそもそも専攻を変えてまで修士に来た理由は数理論理学と型システムに衝撃を受けて惚れ込んだからなので,そういった技術と関連があるところで仕事ができるかどうかは死活問題でした。ゆくゆくは色々な技術に触れていくことになると思いますが,最初の仕事としては自分のこだわりが特別強いところから始めた方がよいとの判断からです。あとは単純に自分の知識が多少活かせるというのもあります。またそういった企業の探し方として信頼していたのが,自分と同様の分野の人がいる企業を探すという方法でした。一口にエンジニアと言ってもその人たちの選好は様々だと思います。しかし同じ分野の人たちならばある種のこだわりや価値観を一部共有でき,それは企業選びの際に参考になります。実際ありがたいことに選考の途中で私と同じ分野出身の方とお話する機会を設けていただき,それが後悔のない意思決定につながったと感じています。

また,私自身の志向として公共の利益に貢献できると嬉しいというのがあって,自分の関わっている製品が,できるだけ特定の集団によらない様々な人の役に立っていたり,あるいは特定の集団であっても,理不尽な不利益(定義は非常に難しいですが)を被っている人たちの役に立っていたりするんだと自信を持って言えるのであれば,モチベーションは自然と沸き続けると予想しました。

基準はこの2つ以外にももちろんあったと思います。たとえば私は持病があって働く環境に関するこだわりが普通より多少強く,そういった点なども考慮しました。

 

競プロは役に立ったか

立ちました。どの企業の選考にもコーディングテストがありましたが,AtCoderのABCとかの問題とだいぶ傾向が似ていて,ほとんどの問題は苦労することなく解くことができました。コーディングテストで落ちた1社については,問題の内容がWeb関連に大きく寄っていたのが原因です。

 

就活,なんか思ってたのと違った

就活をする前とした後で印象が大きく変わりました。就活する前は,私は圧倒的な高みにいる面接官から一方的に評価を下される立場にあり,面接官は終始高圧的な態度でこちらと相対するものだと思っていました。しかし実際に面接を受けてみると,面接官は表情が豊かで相槌を頻繁に打ってくれる方が多く,コミュニケーションは非常に楽しいものでした。面接官の方からは,面接はお互いが対等な立場にあり,ミスマッチを防ぐために自社のことを誠実に伝えようという意図が感じられましたし,私も自身のことを誠実に話して,それで落ちたらしょうがないと思うようになりました。

就活の面接は自己分析と強みのアピールをしないといけないといった認識があったのですが,事前に話すことを考えたりはしませんでした。基本的にはどの選考でも就活(企業選び)の軸が重要視されている気がして,そこから話が膨らんでいくので,その意思決定基準さえしっかりしていれば特に会話に困ることはありませんでした。あとは大学入学以降のできごと(競プロにハマったり修士に行くことにしたり)を振り返ってその意思決定に至る経緯やその際考慮したことなどを振り返るといった,いわゆる自分語りを促されることが多くありました。私は自分語りは嫌いではないですし,それが許される機会は貴重ですので気持ちよく喋りました。前述のように面接官はミスマッチを防ぐために私が自社でうまくやっていけそうな人かを知る必要があり,そのために色々と人となりを話して欲しかったのだと思います。したがって私も相手が知りたそうな情報を意識しながら適切だと思う切り口で自分語りをした記憶があります。

あとはこのご時世だからか,選考はすべて私服のオンライン面接で行われました。気楽に臨めてよかったです。

面接を担当してくださったほとんどすべての方とのコミュニケーションが楽しく,大変感謝しています。特に就活の最初期は尋常ではない不安と焦りで正気ではいられなかったのですが,その時に受けたカジュアル面接を担当してくださった人事の方が常時笑顔の太陽みたいな人で,それで一気に持ち直しました。多分その人のことはこれからも忘れないと思います。

 

おわり

就活中は競プロで繋がって一足先に社会人になったFF競プロerに色々と相談に乗っていただきました。ありがとうございました。私にも何か聞きたいことがあればお答えしたいです。

内定先には明らかに即戦力とはほど遠い実力で採用してもらったと思いますし,ちゃんと戦力になって恩返ししたいという気持ちが強いです。がんばります。